ポイント制という料金システムとは

英会話教室はいわゆる「習い事」です。習い事は決まった時間にあるということが基本ではあります。ただ、社会人になると「決まった時間」に教室に通うということが困難なことも多いでしょう。

そのため、「クラス制」ではなく「マンツーマン」の英会話教室であれば、毎週決まった曜日の決まった時間ではなく、通う人の都合の良い時に予約してレッスンを受けることができるというシステムを導入している教室もあります。

ここで、習い事の基本的な集金スタイルを考えてみたいのですが、もっとも一般的なものは「月謝」ではないでしょうか。「月謝」とは、月々のお稽古代ということになります。「教室」というビジネススタイル自体がその「月謝」で成立するのは、月に何人に対して何回レッスンを行うのかということが決まっているためでもあります。そのため、前述した「好きなときに」というスタイルを導入してしまうと、「月謝」と月のレッスン量の帳尻が合わなくなってしまうこともあるのです。

「自由に予定を立てたい」、「仕事などの兼ね合いもあるから毎週決まった時間では難しい」、そのようなニーズがあるのに、「月謝制」ではビジネスが成り立たない、そのために考案されたのが「ポイント制」の集金スタイルです。ポイント制では、まず会員は「ポイント」を購入することになります。それはある程度まとまった量のポイントということになります。そして実際のレッスンではそのポイントを「消費」して、レッスンを受講します。つまり、ある程度「前払い」をしておいて、その金額に見合った分のレッスンを受けることができるということです。

これによって、教室側は安定した集金が可能になります。「月謝」であれば、「未納」という事態が発生してしまうこともあります。月謝が未納であっても、教室に通われていたということも多々あります。大手の英会話教室では、レッスンを提供している人と、経理的なことを担当している日が別のスタッフであることがほとんどだからです。そのため、教室側が損をして終わってしまうということも多々あります。

ですがこのポイント制は「前払い」の仕組みであるため、そのようなことは起こりません。ポイントがなければレッスンを受講することはできず、しかもそのポイントはまとまった金額分購入するのが通例であり、教室側はレッスン提供前にまとまった代金を徴収することができるのです。

ただ、この仕組み自体にも無理はあります。決まった時間に決まった人数の受講がわかっているのであれば場所と人員のバランスがとれるのですが、そうではなく受講者の都合で予約を受け付ける場合、どうしても予約が偏ってしまうこともあるのです。そうなってしまうと、「予約が取りづらい時間」というのが定常化してしまう可能性があります。さらには、毎週決まった時間にレッスンを行うのであれば、場所と講師の数に対して「定員」を定めることができるのですが、レッスン予定がフレキシブルな「予約制」では定員はありません。これは集客に対してはとても便利ではあるのですが、いざポイントを消化してレッスンを受けようとすると予約が全然とれないといったことも起こりえることなのです。

 

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