「教材」を買うということは

何かを「学ぶ」というとき、ただ人に教えてもらうだけではどうしても足りないことがあります。ハナシを聞いて、それをすべてメモしたとしても、それだけが本当にすべてなのかと不安になるのです。

そこで私たちが「頼る」ものは教科書や参考書のテキストです。授業や講義で聞き漏らしたことを調べられるもの、また参照して補完できる存在として、「学問」においてはこれらの「テキスト」が一般的に広く用いられるものです。ただ、学校教育での「英語」の過ちはこの他の科目と合わせた「テキスト」での勉強にあったのです。

コミュニケーションというものは「生きた」ものです。テキストにあるような決まった会話などは起こりえないということです。どれだけ文法を熟知していても、どれだけ単語の書き取りができたとしても、それが聞き取れない、話せないということでは意味がありません。「英会話」に関していえば、いくらテキストを眺めてみても「わからないものはわからない」のです。母国語と異なる言語よるコミュニケーションは「訓練」によって身につきます。カラダ、感覚で覚えたことを補完するための「知識」であり、「知識」だけで英会話を習得することはまずできないのです。

ですから、英会話学習に教材をプラスするのであれば、そのような「訓練」を助けるための「教材」であるべきです。英会話教室に入会する際によく「教材が必須」ですと言われることがあります。入会を検討しているときにそのようなハナシをされた際には、まずは「どのような教材なのか」ということをしっかりと確認する必要があるでしょう。

教材の内訳を確認して、実際のレッスンでは使用しないようなテキスト、自宅で聴いておくためのCDなどばかりであれば、それは英会話教室が「入会成約時の売上」を伸ばすために用意したオプション品であり、特段英会話スキル向上の役に立つものではないということです。そのようなものを購入する意味があるのかどうかということはまず考えた方がいいですし、購入したとして実際に使うのかどうかということも自分で考えてみましょう。

「自宅」という環境では人は甘えてしまうものです。仕事であれ、勉強であれ、環境を変えることで集中して取り組むことができるということがたくさんあります。英会話などはその最も良い例です。「一人で会話」をすることなどできないのですから、当たり前です。

教材が日々のレッスンの、足りない部分を補完するものであるのであればいいのですが、レッスンとはまったく分離した「自習用」のものであるのであれば、それはあまり意味のないものでしょう。「もったいないから使おう」などと考えるのは最初だけであり、時が経てばどこかにしまわれた状態になってしまうものなのです。

そのような「教材」必要でしょうか。ましてや英会話教室に通わず、教材だけで済まそうとすることもできるわけがありません。英会話で学ぶものは「生きたコミュニケーション」です。一人で英会話を習得できることなど、あり得ないのではないでしょうか。英会話教室を選ぶ際にまず考えたいのがそのような点です。「不必要なものを買わされていないか」ということです。入会契約をする前に、ぜひ中身を確認して下さい。

 

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